Ⅰ【覚悟と自分の人生】
「自分自身二度目の新天地で」
マツは当時26歳でした。
一度目は15歳で夢を追いかけて新天地へ、二度目は覚悟をして新たな仕事で新天地へ、会社の
所有する社宅長屋での生活(共同風呂にトイレ、食事はそれぞれ自分達で)をすることに。
はじめての職種で知識も経験もなく一からのスタートでした。
何故か新天地での始まりはいつも2部屋住居(高校の寮・仕事の社宅長屋)それも6畳?
工場作業部門と生産管理、品質管理部門の振り分けで、マツは品質管理部門に配属されました。
電子機器部品の製造業での品質管理って?当時はどんな仕事内容なのかも知りませんでした。
工場作業ではなく管理部門なので勤務時間内は生産工程や品質とは、についての研修や現場での
抜き取り目視検査を担当し、残業時間の1~2時間は不良品を使って半田付け技術の習得をする
ことに、2年後の新工場には生産管理者1名と品質管理者1名だけからのスタートで製造移管を
するらしい?と出向先の係長から話が「責任が重大で覚える事が山ほどあるので、勤務時間だけ
では身に付けるのは難しい」と言われ、マツ自身の覚悟を聞かれた事を覚えています。
自分ではそれなりの覚悟を持って来ているので「大丈夫です、何とか覚ます」と答えた筈です。
こうして係長から毎日の宿題が生産、検査、品質の資料を渡され、翌出社日にレポートの提出を
1年間近く続けていた事を思い出します。
自分自身この仕事が向いていたのか、残業も宿題も「へえーそうなんだ!こういう事か!」少し
ずつですが、半田付けが出来るようになる事と知識が増える事がおもしろく感じていました。
不安になる時には「大丈夫、俺はできる、何とかするさ」と心の中で呟いていました。
ここで少しだけ電子部品製造業の豆知識
「基板実装とは?」
プリント基板実装のことを指し、電子部品がはんだ付けされていない配線パターンだけの
プリント基板へ各種電子部品をはんだ付けし、電子回路として動作できるようにすることです。
プリント基板の表面にはんだ付けを行う表面実装( SMT )
プリント基板の穴(スルーホール)に電極リード端子を挿入して半田付けを行う挿入実装( IMT )
があります。
「用語の解説」
プリント基板とは、回路設計に基づいて、部品間を接続するために導体パターンを基板の表面
またはその内部にプリントによって配線を形成したものです。
テレビやエアコン、パソコン・スマートホンなどの家電製品をはじめあらゆる電子機器に必ず
使用される主要部品の一つで、集積回路、抵抗器、コンデンサなどの多数の電子部品で回路を
形成する際に、部分同士を固定し配線するための部品の総称です。
電子機器部品製造に関わる技術や管理、知識を一生懸命に学び覚えて、自分の将来に役立てよう
と覚悟を決めて真剣に取り組んでいた時期でした。
夢や目標を失い人生において何か虚しさを感じていた青年時代、自分の仕事という目標を見つけ
て取り組んだ壮年時代、自分の何か?(家族、仕事、趣味、恋愛、夢etc)を見つける事は人生に
おいて重要だとマツは思っています。
潜在意識に自分が希望すること、願いをくり返し強く刻みこもう。
やがて希望は達成される。
それが成功の秘訣であり、原理である。
(エミール・クーエ)
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